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就労ビザ関連
2025年10月31日

【意外とカンタン?】ベトナム人就労ビザ取得の基本と手続き全ガイド!

ベトナム人就労ビザの全体像と今の現場:制度と現状データを徹底解説

ベトナム人が日本で働くには「就労ビザ=在留資格」が必要です。就労ビザには目的や職種によって様々な種類があり、それぞれに申請条件やポイントがあります。「条件は厳しいのか?」「まず何をすればいいのか?」と感じる方も多いですが、この章では制度全体の概要、最近の傾向、主要ビザの選び方や注意点まで、まとめてやさしく整理します。

急速に増える在日ベトナム人労働者と多様な活躍分野

ここ数年、日本で働くベトナム人はアジア諸国の中でも急成長中です。IT業界、製造業、介護、建設、サービス業など、幅広い業界に約46万人以上が在留資格を持って活躍しています(2023年末時点)。若手が多く、日本語学習に積極的な方も多いことから、日本の労働市場を支える主役として期待されています。

就労ビザと在留資格の違い・主要タイプまとめ

「就労ビザ」は正式には「在留資格」と呼ばれています。職種ごとにいくつかの種類があり、主なものは下記です。

  • 技術・人文知識・国際業務(技人国):IT、通訳翻訳、事務、営業、設計などの専門職
  • 特定技能:介護、外食、建設、製造、農業など幅広い現場職
  • 技能実習:製造、建設、農業、介護など決まった職種での技能移転目的
  • 高度専門職:点数制で、高い学歴や職歴・年収を持つ先端領域の人材
  • 経営・管理:会社経営や事業運営のためのビザ

ビザの種類によって 就労できる職種や活動範囲、申請条件が異なります。ビザと実際の職務内容が合わない場合、「不許可」や「職種違反」となり、トラブルの元です。なお、ほとんどの就労ビザでは単純作業・アルバイトは原則禁止です。資格外活動(許可なくアルバイト等)は在留資格取消し等 重い処分の対象となるため十分な注意が必要です。

主要在留資格ごとの職種・審査ポイント比較

在留資格の種類 該当職種/活動 注意ポイント
技術・人文知識・国際業務 IT・設計・通訳・営業・事務など 学歴・職歴との関連性、単純作業は禁止
特定技能 介護・外食・建設・農業・製造など 分野ごとの日本語・技能基準が厳格
技能実習 製造・農業・建設・介護など 主目的は技能移転、転職・職場移動は原則不可
高度専門職 先端技術・研究・管理職など 点数制で学歴・年収重要、優遇措置あり
経営・管理 会社設立、経営、役員業務など 最低資本金・実態ある事業計画が審査対象

最新統計でわかるビザごとのベトナム人人数・活用動向

最近は「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」の3つが特に多くを占めています。

  • 技能実習:約17万人
  • 特定技能:約7万人(増加中)
  • 技人国:約6万人

(2023年末時点/出入国在留管理庁データ参照)
「技能実習から特定技能への移行」「専門職へのキャリアアップ」など、キャリアを跨いでステップアップも珍しくありません。

制度上の注意点とベトナム人ならではの適応ポイント

ビザごとに業務内容や職種が厳格に規定されており、経歴や資格が合わない職種での勤務は「違法就労」扱いとなります。特に「技能実習」は人手不足解消のためのビザではない点に注意し、適切な法令順守・職務管理が求められます。

ベトナム人は真面目で学習意欲が高く、チームワークを大切にする国民性が特徴ですが、異文化適応や日本企業のルール(上下関係、社内礼儀など)で戸惑う方もいます。
企業では異文化研修・生活サポート、ベトナム語の相談窓口の設置が安定雇用のカギとなっています。

就労ビザの取得条件:学歴・職歴・日本語力と企業の受入体制を徹底解説

「条件の壁」を理解すれば、就労ビザ取得のチャンスは十分に広がります。この章では、学歴や職歴、日本語力、企業側の条件やポイントを簡潔に整理し、ベトナム人材受け入れにおいてよくある疑問や申請時の落とし穴をまとめて解説します。

学歴・職歴・IT資格等による主な申請ルート

主に利用される「技人国」ビザでは、学歴・職歴・資格による複数ルートが整備されています。

  • 大学卒業・専門士・高等教育(短大・大学院)卒業が基本要件
  • IT分野は「国際的な資格」や「5年以上の職歴」が強い武器になる
  • 通訳・翻訳や事務職などでは専攻分野との関連性が厳しくチェックされる

現地卒業の場合、「日本の企業が求める学歴レベル」と合致しているかの証明(卒業証明、カリキュラム内容の確認等)も行われます。

ITエンジニア・技能職での資格活用例

IT系では、基本情報技術者や応用情報技術者・ベトナムの国家資格など、スキルと経験を証明できる資格がビザ審査でも高評価。
職歴5年以上あれば学歴要件をカバーできる場合も増えています。
職歴・資格と日本側求人の内容が一致しているかが最重要です。

日本語能力(JLPT)と実務での重視ポイント

ビザ審査では「日本語能力はN2以上」が目安となることが多いですが、実際はコミュニケーション能力・面接での受け答え・指示理解力が重視されます。
サービス職や介護分野などでは現場指示の聞き取り・会話力も評価されています。

企業側のカテゴリーと求められる体制

受け入れ企業は「カテゴリー1〜4」(規模・安定性などで区分)ごとに提出書類や審査の厳しさが変わります

  • カテゴリー1:大企業 → 申請簡易・必要書類少なめ
  • カテゴリー2:中堅…決算書や社会保険証明、求人票などが必要
  • カテゴリー3:中小企業…納税証明や雇用体制資料が重視される
  • カテゴリー4:小規模・新設…全書類+体制詳細まで厳重に確認

雇用契約書・給与明細・社会保険加入証など、「日本人と同等の報酬」「適正管理体制」が守られていることが必須です。また、過去の外国人雇用歴や法令違反がないことも重要な審査対象となっています。書類や体制に不備があると、優秀な人材でもビザが下りません。

主な審査ポイント 必要書類 補足事項
学歴要件・職歴 卒業証書、職務経歴書、推薦状 IT分野は資格証明で代替可能な場合あり
日本語力 JLPT合格証、面接記録等 N2以上が目安だが職務により変動
企業体制 登記簿謄本、決算書、求人票ほか カテゴリー毎に審査・資料の量が異なる
報酬・雇用継続 雇用契約書、給与明細等 適正水準が守られているか確認必須
社会保険・法令遵守 社会保険加入証明、労務管理資料 違反歴や未加入は申請NGの大きな要因

ベトナム人就労ビザ申請の実際の流れと手続き・注意すべきポイント

ビザ申請は段取りが重要。よくあるミスや落とし穴も要チェックです。ここでは現地採用・日本国内採用・転職というパターンごとに、代表的な手順、主な必要書類、審査期間や申請ミスの注意点を解説します。

現地・国内・転職時で異なる申請手続きフロー

申請ステップ 必要書類 申請窓口・管轄 審査期間 申請費用 ポイント・注意点
内定・雇用契約 雇用契約書など 条件適合確認、不適切な契約はNG
在留資格認定証明書交付申請(COE) 履歴書、卒業証書等 地方出入国在留管理局 約1~3ヶ月 約4,000円 書類不備・翻訳ミス・虚偽記載は即不許可
大使館・総領事館でビザ申請 認定証明書、旅券等 日本大使館または総領事館 約1週間 申請は居住地管轄のみ受付
入国・届出手続き 在留カード、住民登録等 入国管理局、自治体 14日以内に住居届・保険加入必須
面接(必要時) 面接用資料等 申請窓口・大使館 15~30分 丁寧な受け答えが合格のカギ
更新・変更申請 契約書・在留カード等 地方出入国在留管理局 約1~2ヶ月 約4,000円 更新・変更時の遅延に注意

在留資格認定証明書(COE)申請の注意点とミス事例

COEは就労ビザを申請するための最重要書類です。書類の不備や翻訳ミスがあると審査が大きく遅れます。
例えば、「卒業証書の原本がベトナム語のまま」「推薦状が日本語でない」「犯罪経歴証明が期限切れ」などがよくある遅延・不許可原因です。細かな部分までダブルチェックし、公式翻訳・証明もセットで準備しましょう。

入国後の14日ルール・生活インフラ手続き

日本入国後の14日以内ルールは必ず守ってください。

  • 空港で在留カード受領
  • 14日以内に住民登録&健康保険加入
  • 銀行・携帯・住所変更等の生活インフラ整備

違反すると資格取り消しや各種トラブルのもとになるので注意しましょう。
また生活支援団体・支援窓口の活用もスムーズな定着の助けになります。

ビザ申請でよくある質問・面接対策

面接では「志望理由」「キャリアプラン」「実際の業務内容」「日本語能力」などが質問されます。合格のポイントは自分の経験・動機をわかりやすく説明できることです。普段から簡単な報告練習や会話練習を積み、丁寧な態度で臨むと好印象となります。

不許可の原因と再挑戦のコツ

主な不許可理由は書類不備・職種とビザのミスマッチ・推薦状や証明書の信頼性不足です。企業側の社会保険未加入、過去の不法就労歴、日本語力不足も影響します。不許可となったら理由を分析し、専門家のアドバイスを受けて再申請すると成功率が上がります。

ビザ取得後の更新・家族帯同・永住・生活サポート

ビザ取得はスタート地点です。ここからはビザ更新・家族呼び寄せ・永住申請・生活支援まで、長期安定のための最新ノウハウを解説します。

ビザの期間管理・家族滞在・永住権申請の基本

就労ビザは「1年」「3年」「5年」のパターンがあり、期限前の更新が必須。将来、家族を呼ぶ場合や永住権を狙う場合も、それぞれ安定収入や生活基盤など複数条件があります。
ここではポイントを表で整理します。

項目 説明・条件 主な必要書類
家族帯同ビザ 年収250万円以上(目安)、就労ビザ有効期間1年以上 家族の戸籍謄本、収入証明、住民票、住居証明
ビザ更新 雇用契約続行、報酬・社会保険・法令順守状況 雇用契約書、給与明細、更新申請書
永住申請 原則5年以上の在留、安定収入・納税・無違反 納税証明、在留カード、職歴証明

生活・労務・メンタルヘルスまでのサポート策

日本語や生活面での悩み、メンタルの健康にまで企業や自治体がサポートしています。
社宅提供・異文化研修・専用相談窓口・カウンセリング・生活ガイド配布など、地域ぐるみでフォロー体制ができています。

  • 労務管理システム:適切な労働条件や給料管理
  • 社会保険全加入:健康保険・年金・労災
  • 福利厚生:社宅・家族手当など安心材料
  • ベトナム語での相談窓口・生活オリエンテーションも充実

キャリアパス・転職時の注意点と支援サービス

「今より自分に合う職場を探したい」「キャリアアップしたい」と考える場合は、転職サービスやキャリア支援センターも活用できます。ただし在留資格と新しい職種が合っているか事前に必ず確認しましょう。

  • 転職エージェントや外国人向け求人サイトを活用
  • 必要書類と条件確認は早めに
  • キャリア設計や多文化職場体験も将来に強い武器

トラブル対応・専門家への相談で安心サポート

困ったときは一人で抱え込まず、労働相談窓口・ベトナム大使館・外国人支援団体などに早めに相談しましょう。
困ったときのよくあるケースと窓口もまとめておきます。

  • 未払給与・退職金トラブル:労働基準監督署・外国人相談ホットラインへ
  • 申請不許可や拒否時:理由を分析し、行政書士や専門機関で再申請サポート
  • 家族帯同・転職時:入管への届け出や書類変更を忘れずに
  • 生活・健康上の相談:自治体窓口、カウンセリングサービス

ベトナム現地制度・今後のビザ政策動向

日本の就労ビザが「在留資格」ベースなのに対し、ベトナムには海外就労者用の労働許可証(WP)制度もあります。
今後は日本でも特定技能や高度専門職の枠拡大・帰国後キャリアサポートが強化される流れです。政策や制度はよく変わるため、行政書士や支援機関、公式サイトで最新ガイドを定期確認しておくと安心です。

まとめ:
ベトナム人就労ビザの取得は、条件や必要書類、手順を丁寧に押さえればスムーズに進められます。
この記事がみなさんの具体的な準備や不安解消のお役に立てれば幸いです。
困ったときは、専門家や相談窓口のサポートも活用して、安心して日本でのキャリアや生活を築いてください。